タイでは、素人からプロ歌手になる歌番組がはやりだ。
何人かは、プロになり、ドラマに出るようになった人もいる。

多くの人は、今日、ここで歌っても、明日は、もう歌うことができない。

出場動機は、
親の借金を返す、
毎日の食事にも事欠く貧しさから逃れたい、
しがない工場の労働者からスターになりたい、
などなど、

そして、

勝ち、やがて、負けて去る。

興奮、喜び、哀しさの数分間。

今日の出場者はガンの終末期を宣告された人だ。
宣告されてから、もう2年間生き続けている。

”幸せ”であることが、ガンへの唯一の薬、それで生きてきたという。

しかし、
わたしは、”幸せ”のために生きてきたんじゃないと思う。
彼の姿をみると、自分をひらいて、こじひらいて、
自分を生贄にして、ただ生きようとする。

化学療法を受けている彼に、苦痛は伴う。
それでも、歌う。

私は、彼の歌うすがたを見て、目を背けそうになった。
捨て身の、前に突き進もうとしている命を、目の前にした時。
それは、目に美しくうつるものではない。

幸せのために生きるなんて、ほんとうは、つまらない。

今日、歌い、明日、死ぬ。

私は、どうなのか?

あなたは、どうなのか?

ぼやぼやしてると、明日は来る。



ーお知らせー
2017109日から14日です。
日本の人があまり知らない、

タイの東北部にあるナコンラチャシーマー県、コンケン県で
僧坊に泊まったり、ホームステイしながら、

お坊さんの指導によるマインドフルネス(瞑想)指導、
お坊さんと病院が協力する在宅でのみとり、
湖や川での散骨体験などをしていただきます。

詳しくは、

をご覧下さい。